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奥さん、ここがサブカル地獄ですよ。

別れる前にお金を頂戴。

【読書感想】全部、言っちゃうね。 千眼美子

奥さん、旬な話題だよ。

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全部、言っちゃうね。

本名・清水富美加、今日、出家しまする。

千眼美子 幸福の科学出版


人気若手女優・清水富美加の事実上の芸能界引退、幸福の科学出家宣言から早2週間あまり。

この書籍は2月の11日から14日にかけて、医師の立会いのもとで行われたインタビューを編集したものということで、2月17日に出版されたものです。

また、出家されたことでお名前も千眼美子さんと変わっております。



買ったよ!読んだよ!



最初に申し上げておきますと、僕は清水富美加さんのことをほとんど存じ上げません。

仮面ライダー』も『リアル鬼ごっこ』も『変態仮面』も『まれ』も観てないんですよ。

彼女への思い入れはほぼ無いと言っていいです。

完全なる野次馬であります。

しかし僕自身が芸能に端っこの方で携わる立場でもあり、また個人的に新興宗教ウォッチングも好きな方なので、試しに買って読んでみたわけです。

ただ、実際読んでみて少し思うところもあり、慣れぬ書評を書いてみようかと思った次第です。

もう一つ申し上げておきますが、僕は宗教法人幸福の科学及び株式会社レプロエンタテインメントとは一切関係はありません(笑)。

信者でもありませんし、利害関係もありませんのでよろしくお願いします。

また、清水富美加さんのファンの方や、このタイミングで出版に至った経緯についてなど、ライターのガイガン山崎さんがブログに素晴らしい記事を書かれていますので、良ければチェックされると良いと思います。

http://d.hatena.ne.jp/gigan_yamazaki/20170218/1487428347


前置きを終えまして。

まずこの本は“緊急告白”のコピーが示す通り、有名人による告白本の一つであります。

内容としては、芸能界に入るまでの半生、芸能界で仕事をしてきて感じたこと、そしてご自身と幸福の科学の関わり、最後にこれからの目標などが書かれています。

しかしこの『全部、言っちゃうね。』、実はあまり衝撃的な告白は無いんですよ。


まず宗教関係のことについては、この本が出版される前に諸々報道されていたこともあり、特に驚くようなことはありません。

幼少の思い出や芸能界に入るまでの経緯なども、宗教絡みの部分を除くと、普通のタレントエッセイ本とそう変わらない印象です。

一部話題となった某バンドマンとの倫ならぬ恋もファンの方はご存知だったという話しですし、あとはせいぜい喫煙者だったことくらいでしょうか(どちらもアッケラカンと1行でサラッと書かれてたのが笑えました)。


で、芸能のお仕事をされていて辛かったこと、死んでしまいたいと思いながらお仕事をされていたこと、そしてそこから出家を決意されるまでの流れ、この辺りが一つの見どころになって来るわけですが。

アイドル的な活動に対する嫌悪感、本意で無い仕事をさせられて辛かったなど、どうもネットを見てるとそう言った部分が注目されてしまいがちです。

しかしこの本を通して読む限り、そこの部分は実はそんなに重要では無いです(ファンの方はショックを受けられたかも知れませんが)。


僕が興味深く感じたのは、女優のお仕事について書かれている部分です。

ネタバレになるような書き方は避けますが、彼女は役に入り込むあまり、役柄や作品世界に精神が引っ張られてしまい、不調を来すようになってしまったと読める箇所があります。

これは表現者、特に女優(俳優)さんや歌い手(音楽アーティスト)さんにはよく見られる状態です。

ハリウッド映画なんかでも、強烈な役柄を演じた俳優が奇行に走るような話しがたまに聞かれますよね。

(消費する側でも、作品に強烈な刺激を受けるとその世界観から抜け出せなくなることがあると思います。)

彼女はご家族の方が幸福の科学の信者で(所謂二世)、幼い頃からある種の高い倫理観の中で純粋に育ったことがこの本からは読み取れます。

高い倫理観と同時に、もしかしたら生来の努力家だったのかも知れません。

純粋で役に入り込みすぎてしまう、または作品世界に没入しすぎてしまうというのは、場合によってはとてもしんどいものです。

特に若い頃は良くも悪くも生きている世界が狭いので、自身の高い倫理観とそぐわない世界に深く入り込み続けると、自己嫌悪を引き起こすこともあると思います。

しかもその倫理観がしっかりとした宗教的な教義に根ざしたものだと……そう考えると、投げ出してでも仕事から逃れようとした彼女をとても責められないのではないでしょうか。


ご両親が特定の宗教の信者で、二世として育った友人が、僕にも今まで何人かいました。

その場合人格の形成には、上にも書いた宗教的な教義、高い倫理観が大きく影響を与えていることがほとんどです。

良い悪いは別にして、多く彼ら彼女らは独特な考え方や生き方を持っていますし、そんな彼ら彼女らの考え方、生き方、もっと言えば信仰は誰にも批難できません。

世の中には今回の件で「洗脳だ!」「騙されてるんだ!」と大声で騒ぎ立てる人が沢山いますが、そういうデリカシーの無い真似はやめましょう。

現代日本人は未だに宗教アレルギーが酷すぎます。

また、業界のルールなんて下らないことを言い出す輩は人一人の命を何だと思ってるんでしょうか。

彼奴らの様な連中には人殺し!と石を投げつけてやればいいのです。

何にせよ7年間も死にたいと思い続けた一人の人間が、宗教によって命を救われたことは何より良かったと思います。

鰯の頭も信心から、生きてるだけで丸儲け、です。


清水富美加さんは芸能界を事実上引退されたようですが、この本を読んでいると「もっとこういう作品に出たい!」「こんなバラエティ番組も面白いんじゃないかな?」と、今後は幸福の科学の中で芸能に携わって行きたいという強い思いが書かれています。

生憎幸福の科学が製作した映画を僕は観たことが無いですが、彼女の元気な姿をスクリーンでまた観る機会があるなら、少し楽しみです。


最後に。

この本は、エッセイとしてはあまり質が良くありません(笑)。

時系列は必然性もなくアッチコッチ飛び回りますし、インタビューからの書き起こしを恐らく複数人で行ったためか、章ごとの口調に違和感が出ています。

詩集か!?と思うほど字詰めも余白が多く、そんなに集中したわけでも無いのに2時間で読み終わりました(笑)。

しかし、芸能、宗教、救済、さらに清水富美加=千眼美子さんの生き方や感じ方から、人生みたいなものを考えてみるのもいいのではないでしょうか。



ところで奥さん、虫を食べる話しの意味わかった?(笑)